池上 幸江 国立健康・栄養研究所食品科学部
日本人の食物繊維は戦争直後には現在推奨されている目標摂取量をほぼ摂取していたが,その後,とくに高度経済成長期における食生活の大きな変化に伴って大幅に低下した。その後の変化は小さいものの,低下傾向は続いている。現在の日本人の平均的な食物繊維摂取量は1日約16gであり,欧米諸国と比べて高いとはいえない。とりわけ,若年世代における食物繊維摂取量は中高年の約半分に過ぎない。 食物繊維摂取量低下の原因は穀類からの摂取の減少によるところが大きい。すなわち,穀類摂取量の低下,精白度の向上,雑穀類消費の低下などが原因となっている。同時に食物繊維含量の高い日本的な食品& | 戻る
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