報 文

グアーガム分解物による消化管粘膜表層の形態変化

鉄口 宗弘1,片山眞之2,片山(須川)洋子1

1大阪市立大学生活科学部食品栄養科学科
2大阪府立大学農学部応用生物化学科

 本研究は、ラットに投与されたグアーガム酵素分解物が下部消化管に与える影響についてセルロース食群(対照)と比較したものである。ラットの下部消化管粘膜表層の微細形態の変化を走査型電子顕微鏡により観察した。グアーガム酵素分解物を投与したラットの消化管粘膜表層の変化は、とくに盲腸において著しく、そこでは粘膜表層が増生している像や、腸内容物によって表層の大部分が覆われている所見が認められた。また、グアーガム酵素分解物を投与したラットの糞重量は対照群に比べて有意に少なく、消化管通過時間は有意に延長していた。これは、盲腸内容物の増加にともなう盲腸組織の肥大と関係しているものと推察される。以上の結果に加えて、腸内容物の粘性の測定結果から、消化管通過時間や粘膜表層の微細形態の変化には腸内容物の粘性が深く関わっていることが示唆された。

戻る