報 文

グアーガム部分分解物のショ糖摂取後血糖上昇に及ぼす影響

津田 憲1,位田毅彦1,山中賢治2,池田義雄3

1太陽化学株式会社・総合研究所
2笹川内科胃腸科クリニック
3東京慈恵会医科大学・健康医学センター・健康医学科

 グアーガムの酵素による加水分解物(グアーガム部分分解物)について,ショ糖を負荷した時の血糖値上昇に対する影響を検討した。健康な成人男女6名を被験者とし,ショ糖30gの水溶液を経口的に負荷後,経時的に採血して血糖値及び血清インスリン値を測定した。血糖値についてはショ糖のみ負荷後30分で最大血糖値となった後,徐々に低下し,90分後には空腹時のレベルに戻った。血清インスリン値もほぼ同様に推移した。一方,ショ糖30g+グアーガム部分分解物5gの水溶液を負荷した場合は,最大血糖値が無添加の時よりもやや低く,その後速やかに低下し,60分値,90分値は空腹時以下になったが(60分値有意差あり),120分後には無添加の時とほぼ同じ値に戻った。また,血清インスリン値はショ糖のみの時と比べていずれの時間においても有意差が認められなかったが,30分値を除いて全体的に低く推移した。さらに,ショ糖負荷後120分及び180分までの曲線下面積を算出した結果,血糖値,血清インスリン値共に有意差は認められなかったが,いずれも低くなる傾向がみられた。以上より,グアーガム部分分解物はショ糖負荷時の糖代謝に好影響を与える可能性が示唆された。

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