報 文

血漿脂質および盲腸内容物中有機酸濃度に及ぼす
ビート食物繊維の粒度ならびにグアーガムの分子量の影響

岸田 太郎,海老原 清

愛媛大学農学部生物資源学科

 食物繊維無添加飼料(FF飼料)およびこのFF飼料に粒度の異なる2種類のビート食物繊維(BDF)または分子量の異なる2種類のグアーガム(GG)を10%添加したいずれかの飼料を3週間ラットに与え,粒度または分子量の盲腸内容物量,盲腸組織重量,盲腸内容物中の有機酸(酢酸,プロピオン酸,n-酪酸,コハク酸,乳酸)濃度および血漿脂質(トリグリセリド,総コレステロール,HDL-コレステロール,リン脂質)濃度に及ぼす影響を検討した。BDFとしては粒度が350~500μM(BDF-L)と粒度が62~88μM(BDF-S)の2種類,グアーガムとしては平均分子量が約210,000の未処理の物(GG)と酵素で部分分解した平均分子量が約15,000の物(PHGG)を用いた。
1) BDFの粒度の影響
 飼料摂取量,体重増加量,盲腸内容物量,盲腸組織重量,血漿脂質濃度および盲腸内容物中の有機酸濃度に対してBDF-L群とBDF-S群との間に有意差はなく,本実験で用いた粒度では上記の測定項目に対して粒度の影響を認めることはできなかった。
2) GGの分子量の影響
 盲腸内容物量はGG群に比べてPHGGにおいて有意に重く,また,盲腸内容物中の酢酸,プロピオン酸,コハク酸,乳酸濃度および総有機酸濃度はGG群に比べてPHGG群において有意に高く,分子量の差の影響が認められた。

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