報 文

内臓脂肪蓄積に及ぼす難消化性デキストリン
長期投与の影響

岸本 由香1,若林  茂1,徳永 勝人2

1松谷化学工業株式会社 研究所
2市立伊丹病院 内科

 成人男性12名を対象に難消化性デキストリン10gを1日3回,毎食事ごとに3ヵ月間投与した。試験期間の前受に糖負荷試験,臨床検査,CTスキャンを実施し,脂肪分布および糖,脂質代謝の変化について以下の結果を得た。
1.体脂肪率が有意に低下し,CT画像から算出した内臓脂肪面積は投与前に高値(100cm2以上)であった肥満の被験者において有意に低下した。
2.血清総コレステロール値および中性脂肪値はそれぞれ13%および44%低下し,有意差が認められた。その他の臨床検査については,正常範囲内での変化であり、臨床上問題となる所見は認められなかった。
3.難消化性デキストリン投与前では糖負荷後の平均血糖頂値が200mg/dlを超えるなど耐糖能異常が認められたが,反復投与後には有意な耐糖能の改善が認められた。
4.3ヵ月間の試験期間中,下痢などの消化器症状を含め,難消化性デキストリンに起因する随伴症状は認められなかった。

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