報 文

成長期ラットにおけるラード,大豆油,魚油添加高脂肪食飼料の
摂取が成熟後の油脂摂取嗜好に及ぼす影響

中嶋洋子


聖徳大学人文学部人間栄養学科

 成長期の摂取油脂の差異が成熟後の脂質摂取嗜好に及ぼす影響を,セルロースを添加してLFDと等カロリーに調整したHPDを用いて調べた。4週齢のFischer344系雄ラットを4群に分け,LFDおよびセルロースを添加したラードHFD,大豆油HFDおよび魚油HFDで8週間飼育後,3群のHFD群に,それぞれのHFDとLFDを同時に与えて選択摂取を3週間行わせ,HFDとLPDの摂取割合を調べた。全実験期問を通して,すべての群の総飼料摂取量および体重に有意な差はみられなかった。しかし,選択摂取期間中の冊D摂取割合(HPD摂取量(g)/総摂取量(g))は,魚油HFD群が他の2群に比べて有意に低かった。選択摂取1週目のHFD摂取割合はラードHFD群が50%,大豆油HPD群が30%,魚油HFD群が17%であったが,ラードHPD群と大豆油HPD群のHFD摂取割合は次第に低下し,3週目の3群のHFD摂取割合は約20%となった。選択摂取3週目の脂質摂取量を計算すると6g/1Oog飼料であった。したがって,・油脂の嗜好性はラードが最も高く,大豆油,魚油の順に低い,・LFDと等カロリーに調整したセルロース添加HFDは脂質の過剰摂取を抑制するという結果が得られた。


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