報 文

ウチワサボテン葉から抽出した水溶性食物繊維画分はII型糖尿病ラットの食後血糖上昇を抑制する

古庄 律1*,石田裕1,鈴野弘子1,齊藤守史2
三成由美3,徳井教孝4,印南 敏5

1東京農業大学短期大学部栄養学科
2一番食品株式会社
3中村学園大学栄養科学部栄養科学科
4産業医科大学産業生態科学研究所
5東京農業大学応用生物科学部生物応用科学科

 ウチワサボテンの一種であるOpuntiaStreptacantha(OpS)より抽出した水溶性食物繊維(SDF)の食後血糖一上一男抑制作用を調べるために,II型糖尿病のモデルであるGKラットを用いてグルコース負荷試験を行った。また,CACO-2細胞を用いたグルコース透過試験を行い,生化学的な評価を行った。その結果,動物実験では2%OpS-SDFを投与した場合,顕著な食後血糖上昇抑制が認められ,いずれの血糖値測定時間においても対照群に比べ血糖値は有意に(p<0.05)低値を示した。CACO-2細胞を用いたグルコース透過試験では,0.1および0.2%OpS-SDF添加で対照に比較してグルコースの透過率は有意に(p<0.01)低下し,GKラットにおける血糖上昇抑制が小腸における糖の吸収阻害であることが推察された。次に,グルコースの拡散阻害への影響を調べたところ,0.2あるいは0.5%0pS-SDFの拡散阻害率は13.8%および35.8%で顕著なグルコースの拡散阻害が認められた。また,粘度計によりOpS-SDFの濃度の違いによる粘度を測定したところ2%OpS-SDFでは,純水に対して約3,000倍の粘度を

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