研究ノート

難消化性デキストリンを配合したデザート飲料の摂取が女子学生の排便状況および健康状態に及ぼす影響

岸本三香子1,海野知紀2,田中敬子3

1武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
2(株)伊藤園中央研究所(現東京家政学院大学家政学部)
3滋賀県立大学人間文化学部生活文化学科

 健常な女子学生38名(年齢19.8±0.9歳)を対象に,難消化性デキストリン(食物繊維4.2g)を含有したデザート飲料を摂取することによる排便状況に及ぼす影響を検討した。対象者を2群に分け,シングルブラインド・クロスオーバー試験を実施した。飲料摂取試験は全7週間であり,非摂取(I期:1週間),飲料摂取(II期:2週間),非摂取(III期:1週間),飲料摂取(IV期:2週間),非摂取(V期:1週間)とした。対照飲料は試験飲料に配合した難消化性デキストリンを含まない飲料を用いた。試験期間中,排便状況に関するアンケートを毎日,また健康状態に関するアンケートを1週間ごとに記入させた。その結果,便秘傾向者(n=12)において試験飲料の摂取により非摂取期間と比較して排便日数,排便回数,排便量いずれにおいても有意に増加した。さらに,難消化性デキストリンを配合した飲料は対照飲料摂取期問と比較して排便日数は有意な増加が認められた。また,愁訴発現からみた身体的・精神的健康状態調査からも,飲料摂取により便秘の改善はみられた。

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