研究ノート

プロスキー変法を用いたイソマルトオリゴ糖および
還元イソマルトオリゴ糖の消化性の評価

常広  淳1,藤田 孝輝1,粟元 正二3,金子 俊之2,弥武  経2

1昭和産業⑭総合研究所 鹿島研究センター
2昭和産業⑭総合研究所

 水溶性食物繊維の公定定量法として用いられているプロスキー変法(酵素-HPLC法)により、イソマルトオリゴ糖混合物(IMO)及び同水添物(IMO-H)の消化性を検討し、以下の結果を得た。
1.IMO及びIMO-Hに適用したところ分解率は酵素量および基質濃度に大きく影響を受けた。しかし、対照に用いた水溶性食物繊維(SDF)及び澱粉加水分解物の分解率は影響を受けずほぼ一定の値を示した。
2.IMO、IMO-Hにみられた糖質の組成変化は、これまでの検討で得られた小腸粘膜由来の酵素を作用させた変化と類似した結果であった。
3.本法はアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、マルターゼ、イソマルターゼにより分解を受ける澱粉由来のオリゴ糖の消化性を推定するには有用であると考えられた。そして、本法の適用を更に多くのオリゴ糖に広げる、或いは本法を有効エネルギーの評価に用いるためには生体の各消化器官での消化メカニズム、関与する酵素等を考慮し、反応条件の改良をおこなう必要があると考えられた。

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