研究ノート

ビーグル犬の便重量および消化管通過時間に及ぼす
ポリデキストロースの影響

奥  恒行1,岡松  洋2,藤井 康弘2

1県立長崎シーボルト大学栄養健康学科
2大塚製薬(株)佐賀研究所

 ポリデキストロース(PD)の食物の消化管通過時間と糞便重量に及ぼす影響を検討した。試験群は無繊維食群,PD2.5%添加食群,PD5.0%添加食群の3群とし,9匹のビーグル犬を用いて1群3匹のラテンスクエアーによる交差試験を行った。試験期間中,摂食量,飲水量,体重変化については群間による差異は観察されなかったが,糞便重量はPD5.0%添加食群(76.1±19.1g/day)において無繊維食群(50.0±17.3g/day)に対して有意(p<0.05)な増加が認められた。さらに,PD摂取量に依存した糞便の軟化が観察された。しかしながら,食物の消化管通過時間はPD添加食給与により短縮傾向が見られたが,有意差は認められるには至らなかった。以上の結果から,ポリデキストロースは糞便重量の増加や糞便の軟化などの便性改善効果が期待できる食物繊維素材であると考える。

戻る