報 文

ヒトにおける食物繊維高含有シリアルフレーク
朝食の便重量ならびに大腸機能に及ぼす影響

奥  恒行1*,中村 禎子1,2

1県立長崎シーボルト大学看護栄養学部栄養健康学科
2東京学芸大学大学院教育学研究科保健学研究室

 成人男女を対象として,排便重量の増大及び便性状の改善に及ぼす食物繊維高含有シリアルフレークAおよびシリアルフレークB摂取の影響を食物繊維を含有しないコントロール食摂取と比較した。得られた結果は次の通りである。
1)便湿重量の増大に及ぼす効果は用量依存的で,食物繊維高含有シリアルフレークA 40g摂取はコントロール食摂取に対して有意な便湿重量の増加を示し,その増加効果はシリアルフレーク摂取量を60gに増加することによってより顕著になった。また,食物繊維含量の少ないシリアルフレークBは60 g摂取でシリアルフレークA 40g摂取と同程度の増加効果を示した。
2)排便回数および排便日数に及ぼす影響は,シリアルフレークA 40 g摂取でコントロール食摂取に対して有意な増加を示し,60g摂取でその効果はより顕著になった。また,食物繊維含量の少ないシリアルフレークBの排便回数および排便日数に及ぼす効果は60g摂取でシリアルフレークA 40 g摂取と同程度であった。
3)便性状(便の形,色,臭い)は,シリアルフレークA 40 g摂取で有意な改善効果が観察され,60g摂取でより顕著な効果を示した。
4)毎日排便のある被験者の便重量は1日平均142 gであった。
5)1週間の排便日数に関わらず,排便日1日当たりの重量は123-142 gであった。

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