研究ノート

難消化性デキストリンの耐糖能に及ぼす影響(第VI報):
自然発症糖尿病モデルWBN/Kobラットにおける効果の検討

若林 茂,岸本由香


松谷化学工業株式会社研究所栄養研究室

 ショ糖負荷後の耐糖能改善効果を有する難消化性デキストリンを,自然発症糖尿病モデルであるWBN/Kobラットに連続投与し,糖質および脂質代謝に及ぼす影響を観察した。高ショ糖飼料の摂取により,WBN/Kobラットでは4週目において,また,対照としたウイスターラットでは8週目において,いずれもグルコース負荷後の耐糖能が障害され,空腹時血糖値および血清総コレステロール値の増加,ならびに脂肪蓄積の亢進が認められた。一方,難消化性デキストリンを反復投与したWBN/Kobラットは,高ショ糖飼料を与えたにもかかわらず耐糖能障害および脂肪蓄積の程度は有意に軽減された。しかしながら,ペクチンおよびコーンファイバーには高ショ糖飼料によるWBN/Kobラットの糖質代謝の破綻を軽減する効果は認めなかった。

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