報 文

食餌性AdenosineおよびAdenosine-5'-Monophosphateによって惹起されるラットの血清尿酸濃度の上昇に及ぼす食物繊維の抑制効果

古口 崇1, 古口弘美1,2,中島久男3, 高野三郎4,
山本祐司1, 印南 敏1, 前川昭男1出所忠弘1

1東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科
2(株)永谷園
3日本大学短期大学部食物栄養学科
4文教大学教育学都

  この研究は,食餌性Adenosineおよびadenosine-5'-Monophosphate(5'-AMP)によって惹起される血清尿酸濃度の上昇に及ぼす物性の異なる幾つかの食物繊維(DF)の影響を探るために行われた。4週齢の雄ウィスターラットにそれぞれプリン体化合物無添加,30mmol/kgdiet Adenosineあるいは5'-AMPの添加および50g/kg dietDF(セルロース,キチン,キトサン,キサンタンガム)の無添加あるいは添加を含む飼料を20日間投与した。無繊維飼料へのプリン体化合物の添加によって上界される.血清尿酸,アラントインおよび尿素寒素の濃度は,試験DFによって有意に抑制された。この現象はキサンタンガム群において著しかった。また,5'-AMP投与によって誘導される血清尿酸濃度の上界に対するキチンおよびキトサンの抑制効果は,adenosine投与の場合のそれよりも強かった。本結果では,食餌性Adenosineおよび5'-AMPによって惹起される血清尿酸濃度の上昇はDFによって抑制されることが認められ,DFの抑制効果はDFのタイプによって異なることを示している。

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