報 文

大麦若葉未を摂取したヒトの排便回数および便性状への影響

池口主弥1,小林正和一1,有浦由紀1,森 貞夫1
高垣欣也1,石橋千和2,片山(須川)洋子3

1株式会社東洋新薬研究開発本部
2医療法人千鳥会石橋整形外科
3福岡女子大学大学院人間環境学研究科(現所属:岐阜女子大学)

 大麦若葉末の便通改善効果を検証する目的でヒトを用いた試験を行った。対象者を対照食品群,低用量食品評,中用量食品評および商用量食品群の4群に分けて前観察期間,摂取期問I,摂取期間II,摂取期間並および後観察期間の計4週間試験を行った。前観察期間(1週間)を設定した後,摂取期間I(1週間),摂取期間II(1週間),摂取期間III(1週間),後観察期間(1週間)の日程で試験を行った。対照食品群は摂取期問I,IIおよびIIIを通じて対照食品を摂取させた。低,中および商用量食品群は摂取期間Iに対照食品を,摂取期間IIおよび摂取期間IIIにはそれぞれ,低,中および商用量食品(1日あたりの大麦若葉末摂取量としてそれぞれ1.5g,4.5g,6.0g)を摂取させた。
 その結果,1週間あたりの排便回数が6回以下の者(排便回数の少ない者)において大麦若葉末1日あたり4.5gの摂取により非摂取期間と比較して排便回数および糞便目安量の有意な増加が認められ,1日あたり6.0gの摂取により対照食品摂取期間と比較して排便回数および糞便目安量の有意な増加が認められた。これらのことより大麦若葉末4.5g~6.0g(大麦若葉末由来の食物繊維として2.6g~3.4g)程度で排便回数の少ない者において便通の改善効果が期待できる。
 大麦若葉末の摂取によって目立った胃腸症状および臨床学的に問題となる症状は認められなかった。このことは大麦若葉末の安全性を示す一助になると考えられる。


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