研究ノート

健常女子学生の便通に及ぼすカードラン含有豆腐麺摂取の影響

飯野久和1,清水 純2,重野千奈美1,西牟田みち代1,印南 敏3

1昭和女子大学大学院生活機構研究科
2城西大学薬学部医療栄養学科
3東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科

 微生物産生難消化性多糖類の一種であるカードランが人の健康に有益な機能性を有する素材となりうるかどうかを探るために,女子大学生の排便状況に与える影響を検討した。東京都内の大学に在籍する健常な女子学生30名にカードランを1パックあたり7.5g含有する豆腐麺を試験食品とし,1日1回(1パック)ずつ連続2週間摂取させ,試験食品摂取前の対照期2週間と比較した。被験者には体調日誌を与え,排便の状況に関する6項目を記入させた。試験期間中,止むを得ず何らかの薬を服用した被験者2名を最終的な統計処理から除外した。
 その結果,残便感を除いたパラメータ,すなわち,排便回数,便の量(体積),便の量(意識),便の出やすさ,便の形状の5項目において,カードラン7.5g含有豆腐麺摂取のスコアは対照期のそれらに比べ,有意な改善が示唆された。特に,排便回数については試験食品摂取期の週4回以下の回数が,対照期に比べ減少,逆に週5回以上の回数は著しく増加した。これらのことから,より厳密な介入試験でさらに検討する必要があるが,食物繊維の一種である力一ドランは1日7.5g摂取させることによりヒトの排便回数およびその他の便性を改善する機能性を有することが示唆された。

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